昨日の記事の続きです。

さて、「キューは利き目の下になければならない」、なぜなら**プロも**プロもそうだから。

という意見にはもちろん反例があります。

では、この反例をどう捉えればいいのでしょうか?

 

ポパーの反証主義に対しては、デュエム・クワインのテーゼというものが知られています。これは、反証に対しては補助仮説を修正することで対応できるので、決定的な反証というのが存在しないというものです。

例えば、「キューは顔の真ん中にあるべき」に対して、「ストリックランドやフェイエンは?」という反例があった時に、「いや、ストリックランドは乱視だから」とか(←今、適当に書いただけで真実かどうか知りません)とか、「フェイエンはオランダの選手で、オランダではそう教えているから」(←今、適当に書いただけで、絶対に違います)といった理由をその反証に当てることで、決定的な反証をなくしてしまうということです。

 

物理でも、「光は粒子であり波でもある」なんていうのがありますが、あれも、後から補助仮説ができたと考えることができます。光が粒子であるという仮説も、光が波であるという仮説も捨てられなかったと見ることもできます。(←ここ微妙なラインなんで突っ込まないでください^^;;)

 

あ、大きく道を外れてきました。

 

さて、ビリヤードのフォームをもし理論と見るならば、このフォームの体系は、反証の塊とも言えると思います。統計的な処理をするならば、反証なんてものはなく、体系的なものと見ることもできますが、それだと多数派以外は全て捨てて処理しているだけっていう感じですし、「**という人が統計的に多い」という記述しか得られませんからあんまり意味がなさそう。

 

一方、そもそもビリヤードに反証可能性なんていらんでしょ、という気もします。

 

そもそもフォームで例えば利き目が「顔の中心」か「利き目の真下」なのかっていうのは、正解があるんでしょうか?

それ以外にも、例えば右手利きとして、右足と左足の関係と、キューラインはどうなっているべきでしょうか?

 

 

これに対して、わたしが持っている武器は「よくある範囲」ですよね。っていうか、これ以外の妥当な基準ってあるのかな?、と思ってます。

なんとなく10人中1人しかやってないことは、「よくある範囲」かどうか悩むところ、50人中1人ならたぶん「よくある範囲」外。

といっても、実際には歴の長い人にはいくつかこの「よくある範囲」外のことがあると思います。例えば、あまりにもレストが長いとか、あまりにも姿勢が高いとか。上級者はこんなんあっても全然いいですよねー。

でも、それって初心者とか中級者とかにはどうなんだろう?

 

わたしは、もともと人間の経験っていうものをあんまり信用していないんですよねー。経験って、もちろんわたしにとっては圧倒的なリアリティがあるんですけど、所詮「n=1」つまり1つの事例にすぎないんですよねー。

自分の経験が圧倒的で、あとはその説を補強するために「**さんもこうしてる」とか「**プロが**ということを言っていた」みたいなことがあるんですが、どっちかというと逆で、むしろ誰かに何かを説明する場合には自分の経験をできるだけ消してそのリアリティに負けない方がより真実に近づけるんじゃないかな?、と思ったりしてます。

 

と、どっかの上級者が初級者や中級者に教えるのを見ながらよく思ってます:->